「心霊と進化と―奇跡と近代スピリチュアリズム」
・訳者あとがきより
原著者のウォーレス Alfred Russsel Wallace については改めて紹介するまでもない。
ダーウィンと並んで自然淘汰説を進化論に取り入れた博物学者としてその名を知られているが、ごく最近になってこの自然淘汰説は実はウォーレスの方がオリジナリティをもつものであったことが明らかにされた。(アーノルド・ブラックマン「ダーウィンに消された男」朝日新聞社刊)
しかしそれ以上に知られていない事実、というよりはむしろ偏見をもって誤解されている事実に、ウォーレスのスピリチュアリズム研究がある。
目に見えぬ知的エネルギーの存在を単なる好奇心や俗趣味からでなく、人生哲学と専門の根幹として真剣に調査研究したその成果をまとめたのが本書である。
・まえがきより
初めて心霊現象の話を耳にした時も、唯物論で埋め尽くされた私の思想耕造の中には、霊とか神といった物質以外の存在を認める余地はまるで無かったといってよい。
が、事実というものは頑固である、どうしようもないものである。
知人宅で起きた原因不明の小さな心霊現象がきっかけとなって生来の真理探求心が頭をもたげ、どうしても研究してみずにはいられなくなった。
そして、研究すればするほど現象の実在を確信すると同時に、その現象の種類も多岐にわたることもわかり、その示唆するところが近代科学の教えることや近代哲学が思索しているものからますます遠ざかっていくことを知ったのである。
私は事実という名の鉄槌に打ちのめされてしまった。
その霊的解釈を受け入れるか否かの問題より前に、まずそうした現象の存在を事実として認めざるを得なかった。
前に述べたように当時の私の思想耕造の中には“そうしたものの存在を認める余地はまるで無かった”のであるが、次第にその“余地”ができてきた。
それは決して先入観や神学上の信仰による偏見からではない。
事実を一つ一つ積み重ねていくという絶え間ない努力の結果であり、それよりほかに方法が無かったのである。
「古武士霊は語る―実録・幽顕問答より」
私は最初書店で題名を見て『こんな本があるからだめなんだよな。』と思ってしまいました。
武士のお化けが登場する、恐怖を煽るようなオカルト本の類だと思い、霊的な知識の妨げとなるような本だと思ったのです。
で、著者名を見て『え!?』と驚いてしまいました。
そこで、手にとって中身を確認して買い求めた次第です。
内容は、無念の割腹自殺を遂げた加賀の武士が、積年の願いを遂げるためにある家の若主人に憑依して出現した事実を、それに関わった人が記録として残したものを、丁寧に解説したものです。
「私の霊界紀行―驚異の幽体離脱体験記」
・訳者まえがきより
スカルソープ氏は地味な霊能者である。
経験年数からいうとすでに30年近くになるが、派手な活動をせず、著書も他に本書の続編が1冊あるだけで、コツコツと体験を積み重ねながら、つねに修養を第一に心がけている真摯な学徒という印象をうける。
本当はすべての霊能者がそうあらねばならないのである。
ところが、これは世界どの国の霊能者にも言えることであるが、霊能が出はじめると何となく偉くなったような錯覚を抱き、まわりの者にもてはやされるとその錯覚を一段とエスカレートさせ、ご大層なことを言い出し、法外な金銭を取りだす霊能者が多すぎるのである。
そうした中でスカルソープ氏は初心を忘れないきわめて貴重な存在であり、そうした性格や生活信条は本書の随所に表れている。
私がぜひとも本書を翻訳して紹介したいと思った理由もそこにある。
0 件のコメント:
コメントを投稿